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11/22いい夫婦の日!という訳でひさしぶりにレイブレの小話をちょろりん☆
以下題名からどうぞ♥
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玲蘭さんお誕生日おめでとうー!^^
即席レイブレですが愛を込めて♥↓
「ゴホゴホッ…コフッ、ぅ…ッゲホゲホ……ッハ、」
息が上手く吸えずに、細くなった気道がヒュウと鳴る。
冷たい汗が顎を伝い、音をたてずに床に落ちた。
…今、何時だろうか。
不規則な自分の呼吸がやたらと耳について、小さく息を吐く。
力を使いすぎたと感じて、急いで自室に戻ったのは正しい判断だったといえるだろう。
とはいえまだベッドには辿り着けていない。
しかし咳をする度に零れる鉄臭さが頭を鈍らせているらしく、どうにも体に力が入らなかった。
このまま誰にも会わなければいいか…そう考えて、重くなった瞼を下ろした。

頭が痛い。
「…ーズ、ザークシーズ!ザクス、おい!」
うるさいなぁ、と言いたいが声が上手く出ない。
代わりに少しだけ瞼を上げれば最後に「ザクス!」ともう一度ハッキリと名を呼ばれた。
「…ハイ?」
なんとか声を絞り出すと、一瞬切れ長の三白眼が大きく見開かれ、それからハァアと大きな安堵の溜め息が落ちてきた。
訳がわからず取り敢えず目の前にある顔を引っ張ってみる。
…あー、レイムさんだ。
相変わらず頬が伸びないなぁ。

…?

「え…レイムさん…?」
何故ここに、と訊ねようとしたが息苦しいくらいに抱き締められ、思わず言葉を飲んでしまった。
「全くお前は…ッ!」
息が詰まったが、その肩が震えていたから何だかすぐに抵抗することができなかった。
ようやく腕の力が緩んだので、取り敢えず息を整えて訊いてみる。
「ど、どうしたんですカ?」
「珍しく書類が出てなかったからな…」
「あぁ!それでわざわざ取りに来てくれたんですカ~」
「…あのなぁ、私は」
「スミマセンってば、そんなに怒らないで下さいヨ~。ちゃんとどっちの仕事も片付けたんですヨ~」
「…やはりお前はわかっていない。私はお前が…!」
「ワタシが、何ですカ?」
聞き返すと、うっと言葉に詰まってしまう。
思わず笑えば、少し拗ねたような顔をされた。
「ンフフ、怒らないで下さいってば☆」
「別に怒ってはいない!ただあまり、その…無理をするな」
「ハイハイ、わかってますよ~」
いつものようにへらりと笑えば
「わかってないだろう!」
そう言って口の端を指で拭われた。
あー、そう言えば血がついたままだったっけ。
「…無理をしないなんて無理ですよ」
観念してそう呟くとレイムは溜め息を吐いた。
「わかった、言い直そう」
そして一呼吸置くと真っ直ぐにブレイクの目を見て言った。
「1人で無理をするな」

言われたブレイクはポカンと暫し沈黙。

それから感心したようにレイムの顔をまじまじと見ながら
「…レイムさんって時々びっくりするくらい恥ずかしいですよネ」
と真面目な顔をして言った。
「な!?今ののどこが恥ずかしいんだ!」
こちらもやはり大真面目に返してくるがその頬は赤い。
その様子がなんだか愛しくて
「ん~レイムさん大好きデスっ☆」
「ぅわ…ッブ!?」
今度はブレイクがレイムに抱き付いた。
お前の方が数倍恥ずかしいぞ!と耳まで赤くなりながら怒鳴るその声を、いつまでもこうして聴いていたいと思ってしまう。
こんなワタシも彼の言う通り、相当恥ずかしい奴なのかもしれない。












超絶にラブラブエンドですが、実はただ1行目の咳を書きたかっただけっていう落書きでしたー^^^^
本当はこれのレイムさんver.も書く予定でしたが、なんか力尽きたw
私の中でレイムさんは相当王子様なようですwww
「ではブレイク、いってきますね」
「ハイお嬢様、お気を付けて♪レイムさん、お嬢様のこと頼みましたヨ~」
「ん、あぁ。じゃあ行ってくる」

パタン

扉が閉まり部屋の中が静まり返る。
この部屋に1人で残るのも久しぶりだ。
不幸中の幸いというべき、か。
「…ハァ」
朝から続く気だるさにブレイクは短く息を吐いた。
シャロンが会議から戻ってくるまでには、なんとか回復しておきたい。
ソファーに座ってみたが特に楽になる訳でもなく。
これはなかなかに困ったと本日2度目の溜め息をついた。
何故か解消されない気だるさと頭痛に昨日の夜を思い出す。
絶えない違法契約者、あのナイトレイの溝鼠の気に食わない行動の数々…。
あぁ、イライラする。
「……ッ、痛…」
…あぁもう、考えるのは止そう。
これ以上体調が悪化しては困る。
ブレイクはソファーにもたれて軽く目を閉じた。

「…ザークシーズ」
急に名前を呼ばれ、声のした方をチラリと見る。
なんだかまた小難しい顔をしたレイムの姿が目に入った。
「……あれ~?レイムさん?」
振り返ったワタシの顔に何か付いていたのだろうか、少し嫌な顔をされた。
全く失礼な人だとむくれてやろうか。
なんて考えてみたが、そんな彼の目が余りに真剣でなんだか気圧されそうになる。
「お前…「なんでレイムさんがここにいるんです?先程お嬢様と出て行ったばかりでしょう」
レイムが口を開ききる前に、先手必勝とばかりに次の句をにこやかに質問で塗り潰せば、レイムは大きく溜め息をついた。
「お前ってやつは…体調が悪いなら早く言え」
「えー私の質問には答えてくれないんですカー?」
…ッう。自分のふざけた声が頭に響く。
喋っている内に本格的に酷くなってきた頭痛に耐えかねて、取り敢えず痛みに詰まりそうになる息を整える。
どんなに繕ってみたところで、どうやら目の前の心配性にはこちらの状態は概ねバレているらしい。
あぁ全く、適わないなぁ。
そんなことをのろのろと考えていると、急に頭の上に影が落ちる。
不審に思って顔を上げた途端、額に手を当てられた。
いつもの温かい手とは違って今日はなんだか少し冷たい。
それが予想外に心地良くて目を細めれば、レイムの眉間の皺が1つ増えた。
「…ザクスお前、少し熱っぽいんじゃないか?」
…言われてもよくわからないんですケド。
取り敢えず、そうですカ?と問い返せばぼんやりとレイムの呆れた顔が見えた。
自分のことだろうと言わんばかり。
いや、実際にそう言ったのかもしれなかったが、とにかく今は頭が割れそうに痛むし息をするのも億劫なのだ。
なんだか取り繕うのも面倒になってきて力を抜けば、重い頭は重力に従って前方に落ちていく。
ソファーから体全体が滑り落ちる感覚がした。
しかしそれをすぐさまレイムが抱き止めた。
……レイムさんは、流石だなぁ。
レイムの膝に抱えられながら心の中でそう呟く。
こうして抱き止めてくれることはわかっていたけれど。
なんて思っている自分がなんだか可笑しくて、少し笑えばまた溜め息が降ってくる。
「レイムさん、溜め息つくと…幸せ、逃げちゃうんですヨ?」
顔が見たかったけれど力が入らなかったので、目を瞑ったままそう言えば
「いいからこのまま少し寝てろ。あとで部屋まで連れて行ってやるから」
なんて甘い言葉が返ってくる。

いつの間にか頭の痛みは遠く彼方に霞んでいた。



レイムはブレイクを背負いながら、長い廊下を歩いていた。
背中の友人はあまりに軽いので、なんだか時折消えているんじゃないかと心配になる。
その寝顔を何度も確認しながら、何を馬鹿なことを考えているんだとレイムは大きく首を振った。
と、突然耳元でクツクツと笑いを堪えているような声が聞こえた。
「うわぁ!?」
思わず叫べば、背中のブレイクが堪えきれずに吹き出した。
「レイムさん、さっきから1人で何やってるんですカ?」
「なっ!?ザークシーズお前っ…起きていたのか!」
「レイムさんのムッツリ~」
「ちがっ…そういうんじゃない!ちょ、このタイミングで寝るな!おい、ザクス!…あーもう!」

本日何度目かの溜め息は、ポトリと落ちて外気に溶けた。
















リクエスト消化2つ目です!
誰でもおっけいなのでとにかく具合悪いブレイクと絡ませて!という美味しいリクエストだったので、ちょうど書きたいと思っていた

レイムさん×具合悪いブレイク

にしちゃいました☆
ブレイクは自分の体調には疎いよね!+レイムさんとはラブラブだよね!
って話でした^^
えーと、何故出て行ったばかりのレイムさんが戻ってきたかというと、これはブレイクが具合悪くて時間の感覚が鈍ってただけで、実は出て行ってから結構経ってます。
シャロンちゃんを送り届けたレイムさんがもう一度戻ってくるくらいの時間が経ってます。
話のテンポの都合でカットしたけど大事な点だったかな…と思ってここに付け足しましたw
いや~具合悪いブレイク書くのは楽しいな~フッフッフ^^
そしてなんか甘くなったなーハッハッハ流石レイムさん^^^^
リクエストに添えたか非常に心配なんですが…((^o^;ひえー!
リクエストどうもありがとうございましたー!
晴天。

雲ひとつなく、風もない。音もない。
目の前には見慣れたはずの垣根小路。
私は季節に合わない黒く長いコートを着込み、道の真ん中に突っ立っていた。
じりりと頭が焼ける。
眼鏡からずるりと汗が滴り落ちた。
真夏の庭、ぼんやりと陽炎が立つ中に

一面、白い薔薇が咲いている。

「レイムさ~ん」
振り向くと、やはり季節に合わないいつもの格好でザークシーズがひらひらと袖を振りながら走って来るのが見えた。
「いや~今日は暑いですネェ」
へらへらと喋るその姿に少し違和感を覚える。
私は今、なんと応えたのだろうか。
ザークシーズは私の返答に少し笑ってから、急にひょいと私の顔を覗き込んで
「ね、鬼ごっこしまショウ」
とにっこり笑った。
私は戸惑い首を振るが、ザークシーズは全く構わない様子で
「じゃあ最初はワタシが鬼デス。逃げてくだサイ、レイムさん☆」
と言って、私がまだ動いてもいないうちに即私の腕にしがみついた。
「ハイ、レイムさん捕まえター!次はレイムさんが鬼デスヨー♪」
そう言ってニヤリと笑う。
「ちょ、ちょっと待て!今のはなしだろう!」
思わずそう叫んで、私の腕に嬉しそうにしがみついている奴を捕まえようとするが、奴は案の定私の腕をするりと抜けると一目散に走り出した。
仕方がないので私も後ろを追い掛ける。
走りながらふと周りの景色に目をやる。

薔薇、バラ、ばら。

白い薔薇の壁は先へ先へと続く。
うちの屋敷に白い薔薇など咲いていただろうか。
なにか不吉な感じがした。

「不似合いでしょう?」

不意にザークシーズの声がして、私はドキリとして立ち止まる。
ザークシーズも私の数歩前でいつの間にやらこちらを向いて立ち止まっていた。
「うちに白い薔薇を植える習慣はありませんよ」
ザークシーズはそう言いながらゆっくりとまた歩き出す。
私はなんとなくその後ろをついて行く。
「みんな"紅"です」
そう言ってまた立ち止まると今度は急にしゃがんで背の低いなにかをそっと両腕で包み込んだ。
私はザークシーズに抱かれうずくまっているものを見て息を飲んだ。
それは片目から血を流し続ける、髪の長い彼――私が初めて出会った時のザークシーズ本人だった。

「ねぇレイムさん、似てるでしょう?」

白い薔薇はどう足掻いたところで赤く色付くはずもなく、しかし地に散る花びらは酸化しほのかに赤茶けて見えた。

白い薔薇の中で滲んでいく彼は遠い。








レイムさんの見た夢的な。
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