忍者ブログ
[1]  [2
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

お久しぶりです☆y(ゝω・)y

原稿抱えすぎて全くこれてなくてすいませんん!
今日はキスの日、ラブレターの日ということでブレシャロ話置いていきますね^^
下記の題名っぽいところからどうぞ☆
頂いた拍手のお返事はまたあとで!すみません一カ月以上音沙汰なくておろろろろ!
><ノシ
PR
夜更けの街を一台の馬車が走る。

「お疲れさまです、ブレイク」
「…全く、最近のチェインはやりにくくて困りマス」
そう言って小さく咳をすると、ブレイクは溜め息をついた。
「…大丈夫ですか?」
気だるそうに馬車の窓枠に寄りかかっていたブレイクはシャロンの問いに首を傾げる。
「何の話デス?」
「貴方の体のことです。また力を使ったのでしょう?」
シャロンが言えばブレイクは、さほど興味もなさそうにぼんやりと答える。
「…あぁ、大丈夫ですヨ。少し疲れただけデス」
その言葉にシャロンは溜め息をついた。
「…あまり、力を使い過ぎないで下さい…ザクス兄さん。私には貴方しか」
そこでシャロンの口に長い指がピタリと押し当てられ、軽く制された。
シャロンが顔を上げればブレイクの困ったような笑顔が見えた。
「ウフフ、お嬢様ったら心配症ですネェ。ワタシは平気だって言っているでしょウ?それよりほら、着きましたよ」

屋敷の階段を上りながらシャロンは目の前を歩くブレイクの背を見た。
時折咳をしてそのたびに小さく揺れる。
急に、手を握りたい、と思った。
しかし片手にはランプ、もう片方は咳をするたびに口元に添えられ、なんだかとても遠くに見えた。
ふと気付くとシャロンはいつの間にかブレイクよりも少しだけ前を歩いていた。
不審に思って振り向こうとした瞬間、

ガシャン!

「ブレイク!?」
ランプが落ちて床にシミが広がる。
幸いランプの火は燃え移ることなく消えたようだった。
しかしシャロンはそんなことには構わずに、割れたランプの隣でうずくまるブレイクに急いで駆け寄る。
普段の数倍血の気の引いたその顔にシャロンはすっかり気が動転してしまった。
「兄さん!?ザクス兄さん!」
慌てて、頭を抱えるように抱き締めれば、数回の咳の後、腕の中でくぐもった声がした。
「……ン、お嬢様…大丈夫、ですヨ…」
短く息を吐きながらブレイクは少しだけ目を開けると、なだめるようにシャロンの手の上に自分の手を重ねた。
「大丈夫な訳ないじゃないですか!」
「……ぁ、…ランプ……割れちゃいましたネ…スミマセン…」
「~~ッ!兄さんのバカ!」
シャロンは重ねられた手の下でギュッと自分の拳に力を入れた。

翌日。
どんよりとした重い雲が垂れ込める正午。
ブレイクは自室のベッドの上で何故か正座をさせられていた。
ベッドサイドにはハリセンを握り締めたシャロンが椅子に腰掛けている。
重い沈黙に耐えかねてブレイクが口を開きかけると、ようやくシャロンが話し始めた。
「ブレイク」
「ハイ?」
「これから先、マッドハッターの力を使うことを禁じます。」
「え、」
「貴方ならその力を使わなくとも十分でしょう」
「ちょ、ちょっと待っ…」
「いいですね?」

シャロンのどすの利いた笑顔にしばし沈黙。

「……はぁ」
ピシャリと言い放たれ、結局ブレイクはただ頷くしかなかった。
「それから今日はしっかり休んで下さい」
「ハイハイ、わかりましたヨ」
苦笑しながら答えればシャロンは少し心配そうな顔をする。
「お嬢様、そんな顔をしないで…大丈夫、ワタシはちゃーんという通りに大人しくしていますカラ」
そう言って大きな欠伸を1つしてみせると、ようやくシャロンは部屋を出ていった。

「やれやれ、困りましたネェ…」
ブレイクは溜め息をついて独りぼやく。
ふと、先程までシャロンのいたところに何か光る物が落ちているのが目に入った。
拾い上げてみると、それは何かの鍵だった。
これを届けるくらいならいいか…。
そう思いシャロンの部屋を訪ねた。
「…おや?」
部屋には誰もいなかった。
窓の外をみるとちょうど馬車に乗る姿が見えた。
供には最近来たばかりのまだ若い使用人を連れている。
その青年が不意にこちらを見上げた。
視線がパチリと合う。
「……っ」
昨夜の疲れが残っているのだろうか、急に目眩がしてブレイクは壁に寄りかかった。
ひやりとした冷たい感覚がぼやけた頭を醒ましていく。
目を閉じて先程の青年の顔を思い出してみた。
「ハァ…全くお嬢様ったら若い子には弱いんだから…」
ブレイクは溜め息を吐くと着替える為に部屋へと戻った。

馬車の中。
何事か考える度に臆病な自分がその考えを消してしまう。
流れていく景色を眺めながら、シャロンは小さく溜め息を吐いた。
そういえば、車窓など随分久しぶりに見た、と思った。

『   』

「え?」
不意にどこからともなく聞こえた声に顔を上げると、例の使用人と目が合った。
「いま何て…キャ!」
急に馬車が大きく揺れ、止まる。
窓の外が暗くなり、やがてバリバリと音を立てて屋根に大きな穴が穿たれた。
そこからチェインの大きな目玉が覗く。
シャロンは悲鳴を上げ、とっさに向かい側の使用人を連れて馬車から逃れようとしたが、彼は動かなかった。
それどころか笑っていた。
「…貴方、違法契約者、だったのですね」
シャロンは下唇を噛むと馬車の外に出た。
しかし真上にはすでにチェインの巨大な腕が迫っている――はずだった。

だがシャロンの上に落ちたのは砂埃だけ。
呆然としているシャロンの目の前であっという間にチェインは消え、壊れた契約者だけが残っていた。
その契約者も頭を杖で小突かれ間もなく静かになった。
我に返ったシャロンが目を見開く。
「ブレイク!」
コソコソと馬車の影に隠れようとしていた影がビクッと飛び上がる。
「どうしてここにいるんですか!」
「えーと、少し心配だったので…」
そう言いながら少し離れた所に停めてある馬車を指差すブレイクをシャロンがキッと睨む。
「助けて下さったことにはお礼をいいます。でも!」
「命に関わるような時は例外でしょう?」
そう言うとブレイクはシャロンに背を向けて小さく咳き込んだ。
「ブレイク!?」
慌てて駆け寄ったシャロンをブレイクが抱き寄せる。
「シャロン、怪我は?」
「…私は平気です。ブレイクこそ…」
「怖かった?」
「…怖かったに決まってるじゃないですか!」
「ワタシも…はぁ、間に合って、良かった」
咳をかみ殺しながらここまで喋ると、ブレイクはもう一度「本当に良かった…」と呟いてシャロンから離れ、また苦しそうに咳き込んだ。
ふと、咳をする度に指の間から零れる真紅にシャロンが気付いた。
「やっ…!ザクス兄さん!」
とっさに胸の辺りで固く握られていたブレイクの手の上に自分の手を重ねる。
「……、汚れちゃい、ますヨ…」
ブレイクは自分の手の上に置かれた小さな手を払おうとしたがシャロンは手を離さなかった。
「、ケフッ……シャロン?」
小さく問うが返事はない。
ただ、小さな肩はもう震えてはいなかった。

レインズワース邸。
シャロン・レインズワースの部屋にて。
屋敷に戻ったシャロンの元にレイムが訪ねてきた。
どうやら先程シャロンはレイムを訪ねる予定だったらしい。
「私に相談とは一体何でしょうか?」
シャロンの隣にブレイクがいないのを気にしつつ、レイムが訊ねる。
シャロンは紅茶を一口飲んでから、ニコリと微笑んだ。
「えぇ。そのことなんですけれど、実はもう相談する必要はなくなりましたの」
「…どういうことでしょうか?」
「私、パンドラに入りますわ」
「は?」
「チェインと契約して、少しでもブレイクの為に役に立ちたいと思うんです」
「ちょっ、ちょっと待って下さい。シャロン様のお気持ちはわかります。しかし…失礼ながら、それがどれだけ危険なことかお分かりですか?」
「えぇ、ブレイクを見ていれば嫌でもわかりますわ。でも私、もう決めましたの」

「いけませんヨ、お嬢様」

「うわっ!?」
突然テーブルの下からブレイクがにょきりと生えた。
レイムは驚いて椅子から落ちかけたが、シャロンはすましている。
「ブレイク。自室で休んでいなさいと言ったでしょう」
「アハハ~、どこかのやんちゃなお嬢様がワタシが寝てる間に危険なことをしようとしなければ、ワタシもゆっくり寝ていられるんですけどネェ」
「私は貴方の役に立ちたいんです」
「ワタシは貴女を守るのが使命ですから…」
「私だって!」
予想外のシャロンの大きな声にブレイク達は目を丸くして口をつぐんだ。
「…ブレイクはズルいですわ。私はいつも守られてばかり…私も、私にも貴方を守らせて下さい…」
少女の小さな唇から零れ落ちたその言葉に、2人の使用人は顔を見合わせた。



それが例え両刃の剣であったとしても、私は貴方と共にいたい。










はい、リクエスト4つ目はブレシャロでした!
長くなり過ぎて自分でも訳がわからな…(吐血)
今回のリクエストはかなり詳しいシチュエーション設定付きだったので読んでてハァハァしました^^うへへ
つまりは頑張ってるブレイクのためにシャロンちゃんがパンドラに入るお話です^^
なるべくリクエストに添うように書いたつもりですが、いかがでしょうか…ガクブル。
それではリクエストありがとうございました!
なんかもう私お腹いっぱいです!
蛇足ですが「そうして盾となる」は前の「ゆれる、ゆれる」とリンクさせたつもりです。
前作はブレイクが守る話、今作はシャロンちゃんが守る話って感じです☆
マッドハッターと契約してからどれくらいたっただろうか。
その力は言わばジョーカーのようなものだ。
彼を生み出したアビスに関する全てを否定し消滅させる力。

それは一度アビスに堕ちたワタシ自身をも拒絶するように思えた。



ぼんやりとした月明かりが照らす夜。
外の様子とは打って変わって、パンドラ内は騒然としていた。
本部付近にチェインが出たらしい。
ちょうど馬車に乗るために玄関付近にいたブレイクとシャロンは、不意に見知った声に呼び止められた。

「ザークシーズ!」
声の主はいつものように慌ただしく駆け寄ってくる。
「おや~、レイムさんじゃないですかァ~☆」
内心、どうせろくな用事ではないのだろうと溜め息を吐きつつ、にこやかに返事を返す。
「ちょうど良いところで会った、すぐ来てくれ!今大変なことに…」
息もつかずに喋るレイムの話を、ハイハイハイと断ち切ってブレイクは隣のシャロンの方に向き直った。
「も~しょうがないですネェ。ではお嬢様は先に馬車に乗っていて下サイ。すぐ済みますカラ」
「えぇ、わかりましたわ」
ブレイクがニコリと笑えば、シャロンも困ったように微笑んだ。

こうして3人がそれぞれの方向に散ろうとした瞬間。

騒音と共に蟲のような巨大なチェインがこちら、つまりパンドラの門の内に侵入し玄関に向かって突進してきた。
契約者を求めているのだろう。
ブレイクは咄嗟に、驚いて固まる2人の前に立った。

ここで暴れられては困るし……仕方がない。
そして小さく舌打ちをすると前方から向かってくるチェインを忌々しげに睨みつけた。

「2人共、下がって」
言いながらブレイクが地を蹴る。
と数秒後には、チェインの手足が次々にぼとぼとと地に落ちて砂になっていた。

チェインの壮絶な悲鳴が屋敷を揺らす。

「あぁもう、いちいちうるさいですネェ…」
ブレイクは面倒臭そうにそう呟くと、その頭に深々と杖を突き立てた。
と同時にマッドハッターの巨大な瞳がギッと音をたてた。
他愛もなく目の前のチェインが砂になっていく。

その後に来る痛みにはもう慣れていた。
古い刻印が鈍い痛みを伴いながら胸を押し潰していくような感覚。
しかし今日は何かが違っていた。

軽く眩暈がして、ブレイクは小さく咳込んだ。
「ケホ、……っ…ゴフッ…ぅ」
強い不快感を吐き出せば、とっさに当てた右手に何か生暖かいものが漏れた。
「ブレイク……ッ!!」
駆け寄ってきたシャロンが声にならない悲鳴を上げた。
指の間から零れたそれは冷たい石畳を紅く濡らす。
ブレイクはゆっくりと自分の手を見た。
口内に不快感を残し掌で赤黒く酸化していく自分の血が、なんだか他人事のように思える。
「ザ、ザクス兄さん!早く、手当てを…!」
目の前の現実がうまく飲み込めずにいたシャロンが、上擦る声をなんとか絞り出した。
しかし震える手を胸の前で握り締め、未だ近寄れずに数歩手前で立ち止まったままでいる。
シャロンの言葉にブレイクは静かに首を振った。
「…大丈夫。どこも怪我なんてしてませんよ」
そう言ってひらひらと手を振ってみせたが、シャロンはさっきよりも青ざめただけだった。
「でも…っ」
「これも…契約の影響みたいですから」
そう言ってブレイクはまた何度か苦しそうに咳をした。
その様子を見て、しばらく呆然としていたレイムは我に返ると立ちすくんでいるシャロンの横を通り、ブレイクの肩に手をかけた。
「ザークシーズお前ッ…!」
そして何か言おうとしたが、振り向かせたその顔の白さと唇にこびり付いた血の赤さに思わず息をのんだ。
その一瞬の間に、消え入りそうなシャロンの声が響く。
「そ、んな…どうして、ザクス兄さんだけ…わ、私…私は……」
嗚咽と混じり細く掠れていくシャロンの声にブレイクが顔を上げると、桃色の瞳から大粒の涙が溢れ出した。
「…あぁ泣かないでシャロン…ほら、大丈夫。ワタシはそう簡単には死にませんから」
そう言って笑えば、ようやくシャロンが抱きついてきた。
ブレイクはその頭をぽんぽんと撫でる。
それが何だか悲しくてシャロンは嗚咽が洩れないようにブレイクの胸に自分の顔を押し付けた。
「…いつからだ」
レイムがシャロンの方を気遣うように低くく声を落とす。
「アハハ、そんな怖い顔しないで下さい。今日が初めてですヨ」
短い質問にそう答えれば、レイムは苦しげに顔を歪ませた。
「どうしてレイムさんがそんな顔、するんですか、」
ゲホッと詰まる息を吐き出せば「大丈夫か」と心底心配そうな顔。
あぁ全く、面倒くさいことになったなぁと思う。

血を吐くということの意味はわかっていた。
しかしそれはあまりにも呆気なく、また自分にとっては当然の報いであるような気がした。
だからなんだか特別の感情は湧いてこなかったのだ。

ただ、できればシャロンやレイムさんには見せたくなかったなぁ…そう、ぼんやりと思う。



どこかでカチリと時計の針が進む音がした。











ふぃ~!ようやく形になりました!
あ、お久しぶりです^^
名前に夏付いてるくせに夏に激弱な甘夏ですが一応生きてます☆
遅くなりましたがリクエスト消化3つ目ですー!
ブレシャロorレイブレで初めてブレイクの吐血を見たときの2人の反応と自分を大事にしないブレイク、という素晴らしく甘夏のドツボなリクエストでした☆ありがとうございます!^^
で、せっかくなのでブレシャロ+レイブレにしてみました~^^

が!

気合い入り過ぎてまとまらなくてまとまらなくて!w
削ったり付け足したりしてたらゴチャゴチャに…!ひえーっ
因みにシャロンちゃんは今よりちょっと幼い設定です^^
リクエストどうもありがとうございましたー!

よし、リクエスト残り1つ!うおー!
穏やかな午後。

避暑に訪れた森の中、湖畔でシャロンは白いドレスをくるりと翻す。
花のように広がる裾を持って水を蹴れば、心地よい冷たさを伴って水しぶきが眩しく煌めいた。
「ブレイクも早くいらっしゃいな!」
振り向いた少女はやはりどこか幼くて。
付き人はただ眩しそうに目を細める。
「ハッハッハ、ワタシは流石に遠慮しますヨ~☆」

水の跳ねる音と楽しそうな少女の声。
耳を澄ませばサワサワと木々が囁く。
ブレイクはその内の一本の根元に座る。
寄りかかって目を閉じれば、なんだか思い出の中のあの人が隣で微笑んでくれているような気がした。

「…ブレイク?」
シャロンが気付いてじっとその寝顔を覗き込んだ。と、
「きゃっ!」
ブレイクはシャロンの手を引くと、よろけたシャロンをギュッと抱え込んだ。
「ブ、ブレイク!」
シャロンの顔が見る見るうちに耳まで紅くなる。
恥ずかしさをかき消すような文句の嵐が意識の遠くで聞こえた。

温かい。

それだけで幸せだった。
今、彼女は温かい。
あと何度こうして抱き締められるのかはわからないけれど、それでも今はこの温もりを手放したくはないと思った。
「ンフフ…お嬢様も一緒に休みましょう」
そう言うブレイクの表情や声色が、なんだかひどく穏やかにとろけているものだから
「(………兄さんはズルい)」
なんだかどうでも良くなってしまった。


時間が止まればいいと思う。
彼は恐らくそれを望んではいないのだろうけど。
永遠なんておかしなモノを望んでしまうのは私のワガママ。

それでも私はこのままずっと、貴方の温かな胸の中で永久を眠りたい。
















うっわなんかブレイク変態くさくなってないか…^p^と思ったそこの貴方、
仕方ないよ、この小説は変態が書いてるんだもの^^^^
はい、という訳で、リクエスト消化一つ目はラブラブなブレシャロでしたー☆
というか勝手にラブラブ仕様にしたんですけど良かったのでしょうかあばばばば。
実は私リクエストだなんて生まれて初めて受け付けちゃったのでなんかもう不安で不安で…!←チキン
ちなみに「永久」は「とわ」と読みますいたたたた。
シャロンは永遠に夢を馳せるけれど、ブレイクは終わりを知っているからこぼれ落ちる時間に目を細めるだけ。 それでも一瞬の夢がずっと続けばいいと思う瞬間ってあるよね!という話でした。
甘夏はゲホゲホいってるブレイクと同じくらいムニャムニャしてるブレイクが好きみたいですね☆
なんかこのブログそんなんばっか!

…えーなんかお粗末な感じになってしまいましたが、リクエストどうもありがとうございましたー☆
キィ、キィ、キィ、



初夏。

レインズワースの屋敷の木陰にブランコが一つ揺れていた。
ピンクのドレスがフワリと風に舞う。

「ザクス兄さん、もっと強く押してくださいな」
「いいえ、お嬢様~。あんまり高くこいでは危ないですからネ~」
「むぅ~」
「まぁまぁそう言わずに」

キィ、キィ、キィ、ギ、


急に後ろからブレイクの手が伸びてきてシャロンを抱えて後ろに引いた。

「キャッ!」

シャロンが紐を手離した瞬間


ガシャン!

老朽化していたらしいそのブランコは紐が切れて2人の数歩先に音を立てて落ちた。

「だからいったでショウ?」
そういってにっこりと笑う顔がなんだか憎らしくて、シャロンはふぃとそっぽを向いた。
「……いじわる」
「え~」
「こうなることがわかっていたなら最初から教えてください!」
「危ないのはわかっていましたけど、いつ落ちるかはギリギリまでわかりませんでしたヨ」
「それでも警告するべきです!」
ブレイクの腕の中でシャロンはプンプンと怒ってみせた。
「そうですネェ、スミマセンお嬢様」
「…まぁいいですわ。今回は貴方が助けて下さいましたし。」
シャロンがそう言うと、
「ウフフ~当たり前じゃないですかァ。お嬢様、ワタシはいつも申しているでしょう?」
そういって笑うと、ブレイクは抱えていたシャロンを地面に下ろした。
そして跪くとシャロンの手をとってその指先にそっと口付けた。
「お守りしますヨ、例え何があろうともネ」



切れた紐がユラユラと風に揺れている。























今よりほんの少しだけ昔の話のつもり。
私はブレイクはシャロンだけの騎士だと信じて疑わないんだ☆
はいはい捏造捏造ゥ!

関係ないけどブランコとブラコンって似てるよね。←本当に関係ないな!
プロフィール
HN:
甘夏
メールフォームは新居のaboutに移動しました^^
カウンターも新居のindexに移しました^^
書庫一覧もmainの方に移しました。
最新コメント
[06/27 甘夏]
[06/22 ななみ]
[10/25 甘夏]
[10/23 peche]
[10/18 甘夏]
バーコード
ブログ内検索
最古記事
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
忍者ブログ [PR]